hなhとA子の呪い｜月刊COMICリュウ

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針辻真にはひとつの信念があった。それは「性欲は真実の愛にとって障害となる」ーー！
「性欲は人を傷つける」
「性欲は人を狂わせ惑わせる愛の敵」
「性欲は人類にかけられた捨て去るべき最低最悪の呪い」
そんな針辻は秘書である南雲に何度もプロポーズをして、その都度断られていた。
「社長、あなたはもっと寛容になるべきです」
母親にセッティングされた見合いの席、今日も断る気満々の針辻の前に現れたのは、見合いの相手ではなく見ず知らずの幼女だった。
Ａ子と名乗った幼女は針辻にも性欲は存在すると、嗤いながら指摘する。
「私は可哀想な針辻くんを助けに来たんだよ」
「私は針辻くんの心の声」
「針辻くん以外には誰にも見えない聞こえない」
「私がラクにしてあげるからね」
彼女の言うとおり、Ａ子の姿は針辻にしか見えていなく、Ａ子の声は針辻にしか届いていなかった。
Ａ子の放つ言葉に惑わされ、Ａ子の見せる幻に混乱する針辻。
果たしてＡ子とは何者なのか…!?

【前号までのあらすじ】
Ａ子の言葉に唆されて、普通の物まで「いやらしい物」にみえてしまう針辻。
「女の子は大きくなると男の子の視線を浴びたくなるんだよ」
「そういう仕組みになってるの。蛍の光と同じだよ」
「女の子が可愛く見えるのは」「ちょっと発情してるからなんだよ」
自ら信念を貫こうと必死になる針辻だが、耐えれば耐えるほど彼の心は磨り減っていく。
混乱の中走り去る針辻を南雲の妹・咲きが偶然目撃する。彼女の目には針辻に「取り憑く」Ａ子の姿が見えていた…。彼女には「特殊」な力があったのだ。
針辻の前に現れＡ子を一時的にではあるが祓う事に成功した咲。しかし彼女は針辻に言い放つ…。
「今後金輪際ーーお姉ちゃんには近づかないで」
南雲に真実を話し、自分のそばから離れるよう説得する針辻。しかし秘書としての責任感からか南雲は首を縦に振らない。彼女にだけは「愛欲にまみれた自分」を見られたくない針辻に、南雲は新たな見合いの話しを持ちかける。その相手の名前は「南雲七海」…。これまで見せてこなかった南雲の「本心」に少しだけ触れ、自らの内に在る「欲望」と向き合う決意をした針辻。彼は「Ａ子の呪い」を振り切ることが出来るのか!?
Ａ子対策の為に咲の師匠に会いに行った針辻の代わりに会社を任された南雲。そんな彼女の元に凶報が届く。彼女の父親であり、針辻とは正反対の信念をもつ隷愛主義者・久慈愛喜が日本に戻ってきたのだ。
様々な「思い」や「欲望」そして「希望」が交差する中、Ａ子は「本当の目的」を思い出す…。
咲を倒し南雲をさらったＡ子は針辻の「心の中」に彼女をいざなう。そこでは針辻が「忘れていた」過去を思い出していた。野間瑛子ーー南雲と知り合う前に出会った少女に針辻は淡い思いを抱いていた。しかし彼女はとある事件に巻き込まれ針辻の元から去っていった。大切なものを「守れ」なかった針辻は嘘ばかりだった自分に絶望する。
あがき苦しみ、それでも誠実であろうとする針辻と南雲のふたりの運命は!?